男性不妊について
卵子は年齢とともに老化が進むことがよく知られていますが、精子も35才から老化、受精能力低下の可能性があるという研究内容が発表されました。
男性が原因で不妊の可能性も?
35歳未満の男性の精子では約7割に活性化能力があったのに対し、
「35歳~39歳では62%」「40歳~44歳では52%」「45歳~49歳では39%」
になります。ただし、すでに子供がいる男性は年齢に関わらず機能低下の程度は軽微だったとのことから老化には個人差が大きいと考えられます。
また、女性と男性とでは老化のスピードが違います。女性は一定の年齢で劇的な変化が起こりますが、男性の場合はゆるやかな衰えで個人差も大きくなっています。
不妊症の治療に行った場合、なにをするのでしょうか。
基本は精液検査です。また同時に性交障害や射精障害に関するチェックをします。
問題がない場合、タイミング指導、それでも妊娠しない場合は人工授精にステップアップすることもあります。
問題がある場合の原因
- 勃起障害(ED)
ストレスやプレッシャーなど。その場合、薬物療法・バイアグラなどを使用します。
- 射精障害
間違ったマスターベーションで女性の膣内では満足できず射精に至らないケース、AVの影響で膣外射精しかできないケースなど。射精障害は治療が難しく、人工授精が現実的です。
- 造精機能障害
元気な精子が作れない、精子の数が少ない、運動率がよくない、奇形精子が多いなど。精子を作る造精機能に問題があると考えられますが、原因不明なことも多いのが現状です。その場合の治療は精子を洗浄・濃縮して人工授精をしたり、体外受精、顕微授精をします。精液中に精子が見当たらなくても精子は存在している可能性もあります。
- 精路通過障害
精子は作られているのに射精しても排出されない。体外ではなく膀胱側に射精されてしまう「逆行性射精」というものもあります。その場合は人工授精や体外受精をします。
精子の通り道に問題がある場合も。その場合も精子を探し精子が見つかれば顕微授精をします。精路を再建させる手術もありますが、技術が難しく治療できるクリニックが限られています。